松山匡助教らによる院外心停止患者に対する体外循環式心肺蘇生の導入タイミングと社会復帰の関連に関する論文が「Circulation」に掲載されました。

研究

研究のポイント

  • 大阪府下の救命救急センターならびに 2 次救急病院の 14 施設が集まって構築した院外心停止患者登録であるCRITICAL Study のデータを用いて、成人の院外心停止患者に対する病院搬送後に行われる体外循環式心肺蘇生導入の効果を検証。
  • 早期に体外循環式心肺蘇生を導入した場合は、導入しなかった場合と比較して、特に心室細動が持続している場合において社会復帰率が良好であることを示した。
  • 院外心停止患者の蘇生率向上のためのエビデンスとして、国際心肺蘇生ガイドラインの改定にも大きな影響を与えると期待される。

 

研究概要

京都府立医科大学大学院医学研究科の松山匡 助教(救急・災害医療システム学)と大阪大学大学院医学系研究科の入澤太郎 助教(救急医学)、北村哲久 助教(環境医学)らの研究グループは、成人の院外心停止患者に対する体外循環式心肺蘇生※1の早期導入の効果について評価を行い、従来の救命処置により自己心拍が再開しなかった心停止患者に対して、体外循環式心肺蘇生を早期導入することが社会復帰率の向上に関連することを示しました。また、その効果は心肺停止中に電気ショックの適応である心室細動※2波形が持続する患者において大きいことを示しました。本研究では、心停止患者の状態に応じた体外循環式心肺蘇生の導入時間と社会復帰率との関連を明らかにし、より早期のタイミングで体外循環式心肺蘇生導入すること及びそのための救急医療体制の構築の重要性を示しました。今後、本研究結果が国際心肺蘇生ガイドラインの改訂に影響を与えるものと期待されます。

 

論文情報

2020年3月24日(火)午後2時(日本時間)に米国心臓協会雑誌「Circulation」(オンライン)に掲載されました。

 

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