本研究成果のポイント
- 院外心停止患者に対して、心肺蘇生時間(心拍再開までの時間)が延長すればするほど社会復帰の確率が低下する。
- 特に、心肺蘇生開始後、最初の20分間で急激に社会復帰の確率が低下する。
- 一方、心肺蘇生時間が30分を超える場合でも社会復帰する確率が高い患者特性として、若年、救急隊により確認された初期の波形がショック適応波形、目撃のある心停止であることも同定した。
- 欧米諸国と比較して、本邦においては心肺蘇生時間が長い。
研究概要
京都府立医科大学大学院医学研究科 救急・災害医療システム学 松山匡 学内講師ら研究グループは、「院外心停止患者に対する心肺蘇生時間と社会復帰確率」にて検討を行い、本件に関する論文が、科学雑誌『Critical Care』に2022年5月2日(現地時間)付けで掲載されましたのでお知らせします。
今後は本研究結果を基に、各々の患者に適した心肺蘇生時間を検討することで、心肺蘇生中止のタイミングの検討や従来の心肺蘇生法に反応しない患者に対して体外循環式人工心肺装置を用いた体外循環式心肺蘇生法に切り替えるタイミングや対象を同定し、院外心停止後の予後改善に寄与することが期待されます。
論文情報
雑誌名 Critical Care
発表媒体 オンライン速報版
雑誌の発行元国 英国
オンライン閲覧 可
URL https://ccforum.biomedcentral.com/articles/10.1186/s13054-022-03994-2
掲載日 2022年5月2日(水)午前11時(日本時間)
論文タイトル Cardiopulmonary resuscitation duration and favorable neurological outcome after out-of-hospital cardiac arrest: a nationwide multicenter observational study in Japan (the JAAM-OHCA registry)
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